運気、といってしまうと少し占い的になってしまいすぎるでしょうか。一過性の幸不幸や良し悪しとは別に、それぞれの人に巡る「人生の季節」とも言うべき流れがあるのだろうな、なんてことを考えさせられる今日このごろです。
矢継ぎ早に言葉を繰り出すような放ち方よりも、ぽたりぷたりと水を濾過するように今の状況にあたりたくて、もくもくと絵を描いています。私にとって今は、そういう季節のようです。
そういう時期にはことばや文字というのは思ったよりも小回りが利かないもので、感情のグラデーションをとらえきれないことがあるのですね。ほとぼりが冷めたころ、スケールに注意しながら物事をうつしとるのには適しているのですけれど、今このときのこの感覚を反映させるには、色や線のほうがよほど私には都合が良い。楽器を弾けたり、歌がうたえる人には、きっとそちらの方が手っ取り早いのかもしれません。
画面の中に頭を埋め込むように没頭し手を動かしているうちは、ひととき「わがこと」を「画題」として扱うことができます。すこし手放し、距離を置くことができる。これは、占いで「お悩み」を「質問」ないしは「占的」へと変換させる手続きにも似ているのではないでしょうか。読み手の腕の見せどころでもあります。
ある程度、自分の中で捏ねて成形してから見てもらいたい、という方もあるでしょうし、混ぜ返すその段階から一緒に立ち会ってほしい、という人もあるでしょう。今の状況がどうにも受け入れがたくて、言葉にすることすら憚られる…なんて場合もあります。いずれの場合も、そのコンバージョンによってなにかが直ちに変化することはそうそうないものの、それを手にする自分の心もちが変わることで、その先の処し方にも静かに波がかぶさるように差し響いていくのだろうと思います。
これに伴いSNSのアイコンも自分で描いたものに変えてみました。引き続きよろしくお願いいたします。
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