各駅停車を3本乗り継いで、友人に会いに行ってきました。（お土産、これでよかったかなぁ…）と手に提げた紙袋を薄目で見つめながら電車に揺られるうち、あっという間に眠気がおそう曇天の日。駅を出ると、しばらくぶりにも関わらず変わらぬ笑顔で迎えてくれる彼女の姿がありました。
近くのカフェでお昼をいただきながら、昔の記憶を引っ張り出して会話を重ねます。ふいに当時かよっていたお店の話題になり、当時の私が何をオーダーしていたかまで覚えている彼女の記憶力の良さに驚かされました。既にそのお店はなくなって、チェーン系の居酒屋に様変わりしているそう。はたちそこそこで、背伸びして不釣り合いなお酒をのんでいた自分を思い浮かべると、なんだか苦笑してしまいます。（きっと、少しもおいしいとは思っていなかったんじゃないかな）
そういう意味では格好つける必要がなくなり、好きも嫌いもあけすけに吐露できるようになった今の、なんと身軽なことか。住む場所も生活スタイルも仕事もまるで違いますが、共通項を頼りにせずとも会話がはずむのは関係性に密度があればこそです。
互いの近況を照らせば、けして明るい話題ばかりではありません。愚痴やぼやき、話してもどうしようもない事柄は数多くあるものの、それぞれの現在地(生息域)が重ならないために、変に引き摺られることなくカラッとした気持ちで聞けるのだろうと思います。
ちょうど、電車3本ぶんの距離と時間。それが我々にとっての近すぎず、遠すぎもしない居心地の良さに繋がっているのかもしれません。
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