khushi-art blog

खुशी khushi クシーの意味は喜びや幸せ。描いたり占ったり。

戊午×癸卯 ネイル考

あっという間に2023年も折り返しが近づいている今日この頃。暦は本日6日「芒種」を境に、戊午月へと切り替わりました。本日はネイルのブログ。陽の気きわまる戊午月に色を添えるべく、私が身に着けたデザインをご紹介してまいります。

今月の干支「戊午」は、陽の火たる地支「午」が陽の土たる天干「戊」を後押しする「火生土」の関係性によって成り立っています。「戊」は多く山に喩えられ、自然界の頂として古くから山岳信仰など人の心を寄せる対象として変わらずそこにあり続ける存在。

そこへ「午」が合わさると、たちまちこの山は生きて拍動する気配を帯びてきます。私たちの体中を駆け巡る血潮のように、奥底に脈打ち、ほとばしるエネルギーがあるのですね。

そして「戊」も「午」も、共にそれぞれの「きわみ」を体現している…という点はたいへんに示唆的です。いずれの山にも頂上がありますし、午時といえば正午、太陽が南中するその瞬間を指すのですから。

はるかな高みから日のひかり降り注ぐ眼下をみおろすとき、そこに横たわる景色が必ずしも絵に描いたような風景であるという保証はどこにもありません。美しいものも、目をそむけたくなるような現実も、たしかにこの世に存在しているのですもの。

「戊午」という干支を思い浮かべるとき、バイタリティ溢れるたたずまいと併せて感じられるのが、このすべてを俯瞰するような冷静な視点ではないかな?というのが個人的な所感です。ものごとの盛りや栄華ばかりではなく、熱狂のなかにありながらも同時に着地点(終着駅)を見定めているようなプラグマティックさ。

そんな戊午をイメージして、今回はこんなデザインを選んでみました。

きれいはきたない、きたないはきれい

コーヒーにぽとりと僅かなミルクを落として、さぁスプーンを差し入れようか…といった風情のマーブル模様に、少しくすんだローズレッド。6月ということで、アクセントにパールをのせてもらいました。

すぐに今というこの極点もまた、過去になってしまうでしょう。しかし、そうであればこそ私たちはそのピークに憧れ、手を伸ばさずにはいられない…十全たる安定感と、その裏側にある儚さと。極みのその先になにが見えてくるのか、両の目をよく開いてたしかめるひと月になれば、と思います。