khushi-art blog

खुशी khushi クシーの意味は喜びや幸せ。描いたり占ったり。

癸卯×壬寅 ネイル考

今日は二十四節気啓蟄。癸卯月がスタートしました。年干支・月干支がともに辛丑、壬寅と重なる2か月間からはじまった2022年。ここまでの流れを振り返ると、あるひとつの楽章の旋律がフェードアウトし、静寂の後にファンファーレが響いて新章の幕が上がったかのよう。良いことも悪いことも、我々がひとつひとつ咀嚼して理解するより先にもう次の波が押し寄せ、物事が目まぐるしく展開していきました。

はやり病もはじめのうちはどこか遠くの出来事にすぎませんでしたが、今こうして私たちの誰もが日常で直面しうる危機となっています。情報が一瞬で海を越えるようになった現代において、今遠くで聞こえている銃声が知らず知らず私たちの心に恐れと遺恨を植えつけ、まるで病のように蝕んでいったとしても何ら不思議ではありません。どうか1秒も早く、皆が安心して眠れる日が来ることを願ってやみません。

前置きが長くなりましたが、本日はネイルのブログ。癸卯月のために私が身につけたデザインをご紹介してまいります。

癸(陰の水)と卯(陰の木)の組み合わせは五行においては水生木となり、相生の関係性。天干である癸は自然界に置き換えると雨のような存在であり、地支の卯は草木が茂って地面を覆いゆく様子に喩えられますので、さながら若葉にそぼ降る春の雨…といったところでしょうか。ぼうと霞んだ風景の中で、若芽がそこだけ明るく水を弾いているような風にも感じられます。

開花は今しばらく先になりますが、青空の下で鈴のように身を揺らす桜は確かに美しいものの、それと同じくらい私は花曇りの空が好きです。花びらの陰影が深まって、色がいっそう冴えるような気がして。そんな、少しアンニュイなイメージを纏った干支・癸卯に着想を得て身につけたのがこちらのデザインです。

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こぼれる雫もまた、彩り

イメージしたのはミレー作・絵画「オフィーリア」。水面に浮きつ沈みつしながら儚げに揺れる草花になぞらえ、このような形に。(中指・小指ともに小さな草花のシールが挟み込まれています)川底に息をひそめる泥や、降り始めればむっと命の気配を帯びた土の匂いが鼻孔をくすぐる春の雨の特徴に沿えて、ベースは透け感のあるブラウンにしてみました。

春…というと一般にうきうきと新規一転、仕切り直しや区切りのとき、といったフレッシュな印象が先に立ちますが、未熟な人が見知らぬ場所に居場所をつくり根を下ろすには、それなりの時間と労を要します。身の回りの見当もつかないまま、そんな状況に置かれれば、自然と頭も視界も霞がかかったようにぼんやりとしてしまうもの。今しばらく先行きの不安な情勢が続きそうではありますが、雲行きを見定めながら、互いに手を取り合い共に栄えうる世界をつくる月になれば、と思います。

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