khushi-art blog

खुशी khushi クシーの意味は喜びや幸せ。描いたり占ったり。

丁酉×辛丑 ネイル考

9月7日は白露。暦はこの日から丁酉月に切り替わります。本日はネイルのご紹介ブログです。丁酉月を伸びやかに過ごすために私が身につけたデザインについて、書いてみたいと思います。

丁(陰の火)と酉(陰の金)の組み合わせは、干が支を剋す(火剋金)相剋の関係性。丁は灯火、酉はシャープに磨き整えられた金の性質を指すため、さながら燭台に灯された明かり…といったところでしょうか。どちらも繊細で、機微に聡いところがあるため、どちらかというとストライクゾーンは狭めかもしれません。こだわりとセンスを感じさせる干支のひとつです。

丙(陽の火)と丁(陰の火)の違いは?ということを考えてみると、同じ火性の干ではあるものの、その性質は全く異なります。太陽に喩えられる丙が昼(のようなもの)であるとするならば、灯火である丁がその本領を発揮するのは主に、日の当たらないところや夜の時間帯。薄暗く判然としないところに灯りをかかげて進みゆく様子を思い浮かべたとき、私の脳裏にはタロットの「隠者」のカードがよぎります。見えないものを見ようとしたり、影になっているところに光を当てて明らかにする…といった形で、明確にしたい「対象」があってこそ「丁」の本質が活きるのではないか?と思うのです。

丙とは違い、丁の光の届く範囲は限られているため、対象の全容を把握するにはそれなりの労を要します。しかし、暗闇においてもなお細部をかたちどろうと感覚を研ぎ澄ませ、理解しようと手を伸ばしつづけるその性質は、他の干にはない特徴と言えるでしょう。

また、丙(太陽)が浮かび上がらせる私たちの影はおおよそ、その輪郭がくっきりとしていますが、丁(灯火)の描き出す我々の影は時に揺らぎ、灯りの置かれた方向によってもその形を変えてゆきます。果たしてそれが実体なのか?それとも幻影なのか?得体の知れない何かに心惹かれ、じっと見つめてみたくなるとき、私たちの心には小さな明りが灯っているのかもしれません。

前置きが長くなりました。今月、私が身に着けたデザインはこちら。

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のうぜんかずら

今回はノウゼンカズラに着想を得たアートを施しました。オレンジからピンクへのグラデーションは丁火を象徴する色。晩夏の夕暮れ時、この鮮やかな色調が視界に入ると、まるでそこだけ明りが灯っているかのように感じられます。

酉、は成熟の極まりを意味する…ということも加味して「触れなば落ちん風情」というのを目指してみた(つもり)です。