khushi-art blog

खुशी khushi クシーの意味は喜びや幸せ。描いたり占ったり。

金の指輪

なんだか童話みたいなタイトルになってしまいました。その昔、結婚式を挙げるときには、私の両親も一緒に訪尼しました。首都で数日を過ごした折、せっかく来たのだし…と街歩きをしていると、母が「あっちに金のお店があったわね、ちょっと見てみましょ」と言い出しました。

インドやネパールでは老若男女問わず、アクセサリーを身につけている方をよく見かけます。ジョーティッシュ(占い)にならって自分を守ってくれる宝石を身に着けている人もあれば、真鍮製や銀の渋めの色合いを好む人、カレッジリングのような重厚な金を纏っている人も。

どの方も丁寧に作りこまれた宝飾品がとてもお似合いなので、母もそれを見てほしくなったようでした。

金のお店で取り扱われていたのは22金や24金のアクセサリーたち。豪奢でありながら隅々まで細工のゆきとどいたデザインは、おためしで指を通すだけでも充分にマハラニ気分が味わえます。

数点を試着し「これにするわ」と、もう、買う気まんまんの母。彼女の左手には一般的な飾りよりふたまわりくらい小さなトップのついた指輪が光っていました。

あれから十数年が経ちます。母は「これが1番着け心地がいいのよね」と、結婚指輪ではなくそのとき買った金の指輪を毎日つけています。

そして、帰国してから母のその様子を見て「私も買えばよかった…」と、心から後悔した私。日本ではなかなかお目にかかれないデザインが普段の生活に交わると、いっそう魅力的に感じられたのです。あぁ、自分へのお土産というのはこういう楽しみのために買うものなのだなぁ、と思った出来事。

 

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その経験を糧に?5年後に訪尼した際には抜け目なく自分用を買いました。