khushi-art blog

खुशी khushi クシーの意味は喜びや幸せ。描いたり占ったり。

干支とネイルトレンド(2021年・辛丑)

日本ネイリスト協会から、2021年SSのトレンドデザインが発表されました。「COSMOS 秩序と調和、宇宙の中の地球」テーマからして、来る水瓶の要素がムンムンですね。

(※はじめましての方にご説明いたしますと、私はネイルが大好きな占い師です。お誕生日の五行配分に合わせた開運ネイルをご提案したり、トレンドのネイルデザインから干支の象意をよみとったり、占いとネイルを結びつける試みを続けています)

2020年は庚子の年。年干支を見た時に私が感じたのは「今年はうるうるキラキラが来るのでは?」ということ。庚(陽の金)が子(陽の水)を生じる(水の力を後押しする)関係性の干支であるため、水の象意を反映したネイルがはやるのでは?と考えました。また、庚の年であるということを考慮すると(※庚は鉄や刀剣に例えられる五行です)メタリックで媚のないデザインも主流となっていくであろう、と。

日本ネイリスト協会は年2回(SS/AW)トレンドデザインを発表しており、2020SSのテーマは「万華鏡」でした。多色性・遊色効果など、変幻自在なイメージですね。事実、(夏ごろは特に)層を重ねることで水の奥になにかがゆらめいているように見せるデザインを多く目にしたように思います。

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また、秋冬になって顕著に盛り上がりを見せているのがミラーネイルを部分的に取り入れるデザイン。金属質な光沢をアクセントとするのは、庚の年ならではのおしゃれ、といえるのではないでしょうか。

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そして、2021年は辛丑の年。五行の関係でみると丑(陰の土)が辛(陰の金)を生じる、相生の関係性です。辛丑という干支ひとつだけをとって見れば、遊び心満載!というよりはきれい目なイメージが先行するように思います。

(しかし、この病禍のさなかにあって私たちは既に「これまでのあたりまえ」を手放してきた経緯があります。そんな渦中にあって迎える「辛丑」…整っただけでは、いられないと思うんですよね)

さて、来年のネイルトレンドはどうなる?とこちらを見てみますと、今年の瑞々しい(水水しい)流れから一気にシフトチェンジして、土剋水のデザインが多くなっていることにお気づきでしょうか。色合いだけ見てもブルー・グリーンの基調色にアースカラー、という組み合わせが目につきます。

(おおよその印象として、相生ネイルは矛盾がなく自然でベーシックな感じ、相剋ネイルはエッジの効いたモードな雰囲気が漂います)

土生金と相生の年であるにも関わらず、土剋水のアートがトレンドになりそうなのはなぜか?ということについて、私が考えたのは以下の2点。

・丑という干支はその中に水(癸)を内包しているから。(丑の蔵干は癸・辛・己)土の干支でありながら雪解け水を湛えた大地である丑は、内側に葛藤(土剋水)をかかえながら、新しい命(芽)をはぐくむ…という特徴を持っています。

感染症拡大の流れにあって、先の見えない不安ややり場のない焦燥感を「水」と捉えたときに、安定や地に足のついた暮らし、心のよりどころとしての「土」を、私たちは求めたくなるのでは?→水をコントロールする(剋す)ことを期待しての土。

※ここで言う「水」「土」とはそれぞれ概念上のものであり、個別の命式のそれとは別です。

しかし、こういった傾向はともすれば、より「強く・わかりやすい」メッセージに惹かれてしまう…などの形で世間に表出することもあるでしょう。玉石混交の世相にあって、私たちにとって本当に価値あるものはどれか?ということを選び取っていく過程が「土生金・辛丑」の1年にになっていくのではないかな、と思います。

この点を考慮すると、ネイルにおいてもパッと見はおとなしめでありつつ、「私にだけわかる」「わかる人にはわかる」といった隠れたメッセージ性を備えた、新しい技術や商材が生み出されてくるのでは?という期待が高まります。

 くわえて、注目すべきはページ下部に至るに従い、再来年の壬寅の象意が入ってくること。(虹は「木」の管轄・寅は木行の干支です)苦境にあっても、それでもなお、と未来へ手を伸ばそうとする私たちの思いは既に、デザインという形をかりてこの世界に降りてきているようです。