「新しい生活様式」というフレーズすら、既に古くなってきているように感じられるのは私だけでしょうか。夏の終わりから、じみじみと不用品を処分しています。くたびれた布団や、もう誰ひとりお尻の入らないベビーチェアなど。進んでハウスキープに携わる方ではない夫まで、これまで無造作に本棚へ突っ込んであった書類を片付けだしたりして、きょうは槍でも降ってくるんだろうかと空を見上げたほどです。そんな変化に静かに驚きながら、それと同時にどこかで「今のこの自粛生活も暫定的なものに過ぎないはず」とタカを括っていた自分がいることに気づきました。確かに、この状況もいつかは終わる…かもしれないけれど、終わった頃にはもう、私たちは「以前の暮らし」を忘れかけているのだろうと思います。仮に同じ振る舞いをしようとしたところで、どこかで冷めた自分がつきまとってパロディのような滑稽さが出てしまいそう。
身の回りの要・不要を見極める経過を重ねるうち、他の家族の持ち物をとっておくために、私個人のもちものを削ろうとしてしまいがちな自分の傾向が明らかになってきました。ごみ袋にモノを放り込む手をゆるめ、どうも今しばらくココにいるしかないらしいので…と、いくつかの私物を別の場所にしまいなおした次第。距離が近すぎて境目が曖昧になりがちな今だからこそ、個人と共用のけじめを(物心ともに)つけたいものですね。
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