暦を意識するようになったのは占いの勉強をはじめてからのことです。
新月・満月や春分・夏至・秋分・冬至にはじまって旧暦や二十四節気、それに方位などの象意も加わって、私の生活はぐっとその彩度が上がりました。
しかし、占いを始めるより先に、既に私は暦に親しんでいた…と気づいたのは、こんな思い出があったからです。
「今日はエカダシだから、私はまだ食べないの。あなたは遠慮しないで食べていいのよ」義姉がお皿にごはんをてんこ盛りにして、こちらへ差し出します。
(わぁ、こんなにたくさん、食べられない…私も断食するって言おうかしら…)と、相手の顔色をうかがっていたのは新婚当時の私。エカダシは断食の日なのです。
ビクラム暦は太陰太陽暦に該当する暦です。太陽暦にあたる「ガテ(गते)」という日付とともに、太陰暦の「ティティ(तिथि)」が併記されるカレンダー。その片隅には西暦の日付(タリク・तारीख)も書かれているので、はじめて目にしたときは情報量が多いな、と感じた覚えがあります。
先ほど義姉が口にした「エカダシ」というのは太陰暦にあたる月齢の呼び方のうちのひとつ。新月・満月から11日目のことをこう言います。
一覧にすると以下のような並びになります。この周期をぐるぐるとしながら、新月から満月へ(この期間を白分・スクラパクチャといいます)また満月から新月へ(こちらは黒分・クリシュナパクチャ)と満ち欠けを繰り返している…ということですね。
Pratipada(1)
Dwitiya(2)
Tritiya(3)
Chaturthi(4)
Panchami(5)
Shasthi(6)
Saptami(7)
Ashtami(8)
Nawami(9)
Dashami(10)
Ekadashi(11)
Dwadashi(12)
Trayodashi(13)
Chaturdashi(14)
Purnima(満月)
Amaavasya(新月)