khushi-art blog

खुशी khushi クシーの意味は喜びや幸せ。描いたり占ったり。

文様を読み解く

過日、パナソニック汐留美術館にて「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」を見てきました。19世紀後半、開国に伴って数多くの日本製の美術工芸品が欧州へ流入。蒔絵や螺鈿細工などの装飾技法はもとより、対象の描き方やモチーフの持つ意味合い(縁起や解釈)など、様々なスタイルがジャポニスムの名のもとにヨーロッパの製陶所にも影響を与えました。今回の展示では花器や皿、タイルなど、立体造形におけるジャポニスムの潮流を楽しむことができます。

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パンフレット左端は、L.C.ティファニーの『孔雀文花器』

鑑賞していく中でことのほか面白く感じられたのは「どういうポイントを日本的、ないし和風だと感じるか?」というセンサーのようなものが、自分の中にも息づいているらしいこと。作り手がジャポニスム表現をどう捉え、どう作品に取り入れようとしたか?という点がダイレクトに伝わってくるがゆえに、あるときはそのセンサーが心地良い違和を伝えてきたり、あるいは「エッセンスの踏襲にとどまらず、作者の決まり手のひとつにまで昇華されている〜!」と唸ったり。個人の好みの範疇を超えて、うっすらと自らの認識の枠組みが立ち上がってくるような、とても新鮮な鑑賞体験でした。

そして、19世紀の欧州におけるジャポニスムのみならず現代もまた「〇〇風」「〇〇的」に味付けされた異国情緒で溢れているのかもしれないな…とも感じました。私自身もボディアートや民族衣装などの分野でその恩恵にあずかっているうちのひとりに過ぎません。占いが象徴を読み解くものであるのと同様に、美術作品・工芸品・衣裳を彩るモチーフや文様もまた、文化や歴史などの背景に根ざした「象徴の集合体」であるといえるでしょう。

少し前まで、イベントやプラットフォームサイト上で「陰陽五行モチーフ鑑定」と題したメニューを展開していました。お客様のお生まれの五行配分に合わせてラッキーモチーフを提案する…という主旨なのですが、内容を精査していくうちに、洋の東西でその解釈が異なるテーマが数多くあることを知りました。それぞれの装飾がどんな物語をたずさえているのか?そんな視点をもちつつ、自身の内面のセンサーを研ぎ澄ませてみると、対象の解像度がぐっと上がるような気がします。

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いろいろ調べたくなってきた

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